あ云《ゆ》はんねえから、下手《へた》んすつと今《いま》の子奴等《こめら》にや遣《や》り込《こ》められつちやからおとつゝあ此《こ》れ知《し》つてつかなんちあれたつて、困《こま》らなどうもなあ」側《そば》からいつたので勘次《かんじ》は有繋《さすが》に嫣然《にこり》とした。
白鳥徳利《はくてうどくり》の口《くち》が底《そこ》よりも低《ひく》く成《な》つた時《とき》一|座《ざ》の間《あひだ》には馬《うま》の噺《はなし》が出《で》た。馬《うま》といふ奴《やつ》はあの身體《からだ》で酒《さけ》の二|杯《はい》も口《くち》へ入《いれ》てやると忽《たちま》ちにどろんとして駻馬《かんば》でも靜《しづか》に成《な》る、博勞《ばくらう》は以前《いぜん》はさうして惡《わる》い馬《うま》を嵌《は》め込《こ》んだものである。現在《いま》でもそんなことで油斷《ゆだん》は成《な》らぬ、村落《むら》が貧乏《びんばふ》したから荷車《にぐるま》ばかり殖《ふ》えて馬《うま》が減《へ》つて畢《しま》つたが荷車《にぐるま》の檢査《けんさ》に行《い》つて見《み》て驚《おどろ》いた抔《など》といふことや、朝鮮牛《てうせんうし》が大分《だいぶ》輸入《ゆにふ》されたが狗《いね》ころの樣《やう》な身體《からだ》で割合《わりあひ》に不廉《たか》いからどうしたものだか抔《など》といふことが際限《さいげん》もなくがや/\と大聲《おほごゑ》で呶鳴《どな》り合《あ》うた。
「博勞《ばくらう》なんちい奴等《やつら》は泥棒根性《どろぼうこんじやう》無《な》くつちや出來《でき》ね商賣《しやうべえ》だな、嘘《ちく》らつぽう打《ぶ》んぬいて、兼等《かねら》汝《わ》りや、俺《お》れことせえおつ嵌《ぱ》める積《つもり》しやがつて」兼《かね》博勞《ばくらう》の向側《むかうがは》から戯談《じようだん》らしい調子《てうし》でいふと
「箆棒《べらぼう》、おつ嵌《ぱ》めんなもんぢやねえ、それ厭《や》だら錢《ぜに》出《だ》せよ錢《ぜに》、なあ、錢《ぜに》出《だ》さねえ積《つもり》すんのが泥棒《どろぼう》より太《ふて》えんだな、西《にし》のおとつゝあ等《ら》躊躇逡巡《しつゝくむつゝく》だから、かたで」
「そんだから見《み》ろえ、博勞《ばくらう》で藏《くら》建《た》てた奴《やつ》あ有《あ》りやしねえ、罰《ばち》たかつてつから」
「どうした、そんだが此間《こ
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