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須磨寺の松の木の葉の散る庭に飼ふ鹿悲し聲ひそみ鳴く
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須磨敦盛塚
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松蔭の草の茂みに群れさきて埃に浴みしおしろいの花
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舞子濱
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落葉掻く松の木の間を立ち出でゝ淡路は近き秋の霧かも
舞子の濱松に迫りてゆく船の白帆をたゆみいし漕ぐや人
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明石人丸社
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淡路のや松尾が崎に白帆捲く船明かに松の上に見ゆ
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明石にやどる此夜大漁
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沖さかる船人をらび陸どよみ明石の濱に夜網夜曳く
瀬戸の海きよる鰯は彌水《いやみづ》の潮の明石の潮|※[#「さんずい+和」、第4水準2−78−64]に曳く
鰯引く袋をおもみ引きかねて魚籃にすくふ磯の淺瀬に
いわし曳く網のこぼれはひりはむと渚の闇に群れにけるかも
明石潟あみ引くうへに天の川淡路になびき雲の穗に歿る
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廿六日、垂水濱
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茅淳の海うかぶ百船八十船の明石の瀬戸に眞帆向ひ來も
[#
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