むとての企なり。素よりいえなむ日までと思ひ立ちたるなりければ、いつを畢りと豫ねてえ定むべくもあらずと
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葉がくりになる南瓜のおぼろには目にみえぬごとおくが知らずも
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辰巳のかぜふきて雨のふりつゞきければ鬼怒川いたくまさりて濁れる、水豆の畑にも越えたりなどいふをきゝて
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よごれたるおどろがなかに鴨跖草《つゆぐさ》の花かもさかむ水ひきていなば
鴨跖草の花のさくらむ鬼怒川の水のあと見にいつかまからむ
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こゝろ計りは慥なれども、脚に力なければ、頓にたゝむとすれば目くるめくこともあり、おほかたは打ち臥す。藪の中にさきたりけるとて百合の花をもて來てくれければ
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さゆりばな我にみせむと野老蔓《ところづら》からみしまゝに折りてもち來し
白埴の瓶によそひて活けまくはみじかく折りし山百合の花
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いたく欲しとにはあらねど人の物くふをみればうまげなるも片腹いたきおもひするに、まだきにやまべの串をもてきて呉れたるを
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鬼怒川のやまべ燒串うまけれどこゝろなの人やけふ持ちて來し
鬼怒川の夏涸水のぬるき瀬にやまべとるらむみにも行かめど
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暑さはげしければ、いづこも明け放ちてやすらふ、夏蕎麥の幹うつとて下部の庭にたちて振まふをうちながめつゝ
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柄臼を横さにたてゝうつ蕎麥のこぼれて飛ぶをみつゝおもしろ
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をちこちに麥うつおと頻りにきこゆるに
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となりやに麥はうてども藪こえて埃もこねばおもしろに聞く
連枷《からさを》のとゞろ/\に挨たて麥うつ庭の日車の花
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日のうちは暑さに疲れをおぼゆれども、くれ近くなればいさゝか出でありくことあり、
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たま/\にたち出でゝみれば花ながら胡瓜のしりへゆがまひて居り
眞日の照り日の照るなべにさぶしらに胡瓜の黄葉おちにけるかも
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はや土用にもいりたるに、再びすともいまはやめよと切なるすゝめに止むなくして二十一日の夜はじめて物くふ、二日ばかりして車に乘りていでありく、
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いくばくも未だへなくに葉が
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