え來も

秋の田のわせ刈るあとの稻莖に煩しくのこるおもだかの花

とき待ちて穗にたちそめしおくて田の花さくなべにわさ田刈り干す

秋の日の日和よろこび打つ畑のくまみにさける唐藍の花

我門の茶の木に這へる野老蔓《ところづら》秋かたまけていろづきにけり

さら/\に梢散りくる垣内にはうども茗荷もいろづきにけり

なぐはしき嫁菜の花はみちのへの茨がなかによろぼひにさく

うねなみに作れる菊はおしなべて下葉枯れゝどいまさかりなり

小春日の庭に竹ゆひ稻かけて見えずなりたる山茶花の花

鋏刀《はさみ》持つ庭作り人きりそけて乏しくさける山茶花の花

こぼれ藁こぼれし庭のあさ霜にはらゝに散れる山茶花の花

つゆしもの末枯草の淺茅生に交りてさける紅蓼の花

冷やけく茶の木の花にはれわたる空のそくへに見ゆる秋山

馬塞垣に繩もて括る山吹のもみづる見れば春日おもほゆ

筑波嶺ははれわたり見ゆ丘の邊の唐人草の枯れたつがうへに

鬼怒川をあさ越えくれば桑の葉に降りおける霜の露にしたゞる

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佛の山を過ぎてよめる歌并短歌

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佛の山は常毛二州に跨る、阪路險悪、近時僅
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