るころゆ夕されば筑波の山のむらさきに見ゆ

夕さればむらさき匂ふ筑波嶺のしづくの田居に雁鳴き渡る

蜀黍の穗ぬれに見ゆる筑波嶺ゆ棚引き渡る秋の白雲

稻の穗のしづくの田居の夜空には筑波嶺越えて天の川ながる

筑波嶺に降りおける雪は陽炎の夕さりくればむらさきに見ゆ

    まつがさ集(二)

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梧桐の梢おもしろく見えたれば
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青桐のむらなる莢のさや/\に照れるこよひの月の涼しさ

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また庭のうちに榧の樹あり、過ぎしころは夜ごとに梟の鳴きつときけば
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ふくろふの宵々なきし榧の樹のうつろもさやに照る月夜かも

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おなじく庭のうちなる樟の木の葉のきら/\とかゞやきたるを主の女の刀自のいとうつくしきものと稱ふれば我が刀自にかはりてよみける
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秋の夜の月夜の照れば樟の木のしげき諸葉に黄金かゞやく

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一日小雨、庭上に梅の落葉せるを見てよめる歌四首
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秋風のはつかに吹けばいちはやく梅の落葉はあさにけに散る


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