をもとの如くふたがずありしを左千夫君の見とがめければよみける歌一首
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はしきやし騰波の淡海の、水くまりの穿江があすれば、葦邊にや穴をつくり、蟹こそそこにはひそめ、鯰こそそこにはひそめ、ひそめど手をさし入れて、掻き探りとるとふものを、盜人のきたち窺ひ、かくのごと壁はゑりしか、すむやけく去にけるもの故、とりがてにあたらしきかも、穴はもあれども、

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二十九日、けふは歸らむといふ左千夫君をおくりて椚林の中をさかゐといふ所へ行く、ひた急ぐ程に左千夫君のおくれがちに喘ぐさまなれば、戯れてよめる歌
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赤駒の沓掛過ぎて、楢の木の生子を行けば、萱村に鳴くやよしきり、よしきりの止まず口叩き、足惱むとひこずる君を、見るがわぶしさ、

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左千夫君予より重きこと七八貫目、予が先立ちて行くごとにいつも我は七八貫目の荷を負ひたるが如し、君にはそれ程の荷を負はしめなばいくばくもえ行じと、左千夫君の旅行くとだにいへば日にいくたびとなくいひ戯るゝをきゝてよめる歌
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赤駒の荷をときさけて、七秤八秤もち
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