うんと熟達するにきまっている。しかし、一つの研究題日の達成をたえず求め、ひたすらこれだけに没頭して急速に進歩したので、二年目の終りには、ある種の化学的装置の改良の点でいくつか発見をし、そのために大学で大きな名声と賞讃とをかちえた。私がこの程度までになり、もはやインゴルシュタットのどの教授の授業を受けても同じことだと言えるくらいに、自然哲学の理論と実践によく通じるようになり、そこに住んでいることがもはや、私の上達を助けるものでなくなったので、友だちといっしょに故郷の町に帰ろうと考えていたやさきに、私の滞在をひきのばす事件がもちあがった。
特に私の注意を惹いた現象の一つは、人体や、じつはなんであろうと生命を賦与された動物の構造であった。私はよく、どこから生命の原理は出て来るのだろうか、ということを自問した。それは、むこうみずの質問であり、つねに神秘と考えられてきたものではあったが、臆病とか、不注意が私たちの研究をおさえつけないとしたら、どれほど多くのことがもうすこしで知られるようになることだろう。私は心のなかでそういった事情をとくと考えて、それからというものは、生理学に関する自然哲学の諸
前へ
次へ
全393ページ中69ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
シェリー メアリー・ウォルストンクラフト の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング