叫びました。「こいつを死なせたからには、おれの犯罪ももうおしまいだ。おれの存在のみじめな糸も、すっかり巻き終えられたというわけさ。おおフランケンシュタイン! 寛大で献身的な人だった! いまおれが赦しを求めたところで、なんのやくにたとう? おまえの最愛の人たちをみな殺して、おまえを死なせてしまったのだ、おれは。ああ、冷たくなっている、もう、おれに答えてくれないのだ。」
 その声はのどをつまらせたようでした。僕の衝動は、はじめ、友人が死んでいく時の頼みに従って、この友人の敵をやっつけることを思いつかせましたが、今それを見て、好奇心と同情の入りまじった気もちに抑えられました。僕はこの見るも怖ろしいものに近よりましたが、その顔を見あげる気にはなれませんでした。その醜悪さにはじつに、胆をつぶすばかりの、この世のものともおもえないものがあったからです。僕は、口をきこうとしましたが、ことばが唇のところで消えてしまいました。怪物は、荒々しくとりとめもない自責のことばを喋りつづけました。とうとう僕は、そいつの激情のあらしがちょっとやんだ時に、意を決して話しかけました。「君の後悔は、今となってはよけいなこ
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