のです。この信念は、そういった瞑想に厳粛さを与えて、それを、ほとんど真実のような、きわだった興味ふかいものにしているのです。
僕たちの会話は、かならずしも、この人自身の経歴や不運のことに限られてはいません。文学一般のあらゆる点について、この人は、無尽蔵の知識と鋭敏な鑑識力を見せます。その雄弁は、力強くて人を感動させ、悲しい出来事について話したり、聞く者の憐憫や愛の情熱を動かそうと努力したばあいは、涙なしには聞けませんでした。破滅した今さえこんなに高貴で神々しいとすれば、華やかだったころには、どんなに輝かしかったことでしょう! この人は、自分の値うちや失敗の大きさを感じでいるように見えます。
「若かったころには、」とその人が言うのでした、「私は、自分が何か大事業をやるような運命にあると思いこんでいたものです。私の感情は深刻でしたが、そういう事業をやりとげるのにふさわしい冷静な判断力をもっていました。自分の性質を高く買っていた気もちは、ほかの人なら参ってしまう時でも、私を支えてくれました。同胞のためにやくにたつ自分の才能を無益な悲しみのために放棄することは、犯罪だと思ったのです。知覚あり
前へ
次へ
全393ページ中367ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
シェリー メアリー・ウォルストンクラフト の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング