の魂は、あいつの姿と同じように、背信と、鬼畜のような悪意でいっぱいなのです。あいつの言うことに耳をかたむけてはいけません。ウィリアムと、ジュスチーヌと、クレルヴァルと、エリザベートと、私の父と、それから哀れなこのヴィクトルの名を呼んで、あなたの剣をあいつの胸に突き剌してください。私がそのそばを飛び舞って、刃先をまっすぐに向けるようにしますから。


     ウォルトンの手紙 ――続き


[#地から2字上げ]一七××年八月二十六日
 この奇妙な恐ろしい物語をお読みになったでしょう、マーガレット。そこで、僕が今でさえそうなるように、怖ろしさに血も凍る思いがしなかったでしょうか。この人は、ときには苦悶のあまりに、話をつづけることができなくなることもあり、またときには、声がとぎれて、苦悩しながら話そうとすることが、なかなか口に出ないこともありました。その美しい愛らしい眼が憤怒にきらきら輝いたかとおもうと、こんどは悲しみに萎れ、このうえもない悲惨な状態に沈むのでした。また、顔いろや声の調子もいつもと変らず、興奮のそぶりをちっとも見せずに静かな声で恐ろしい出来事を話すこともあり、迫害者を呪って
前へ 次へ
全393ページ中364ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
シェリー メアリー・ウォルストンクラフト の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング