もうと、ものすごい、耳を聾するばかりの爆音が起って氷が割れた。私の労苦は立ちどころに終った。たちまち荒海が私と敵のあいだにさかまき、私は切り離された氷片の上に取り残されて漂流しはじめたが、その氷はたえず小さくなり、こうして身の毛もよだつ死の手が私を待ちうけることなった。
 こんなふうにして恐ろしい何時間かが過ぎ、犬が数頭死んでしまった。そして自分も、かさねがさねの苦難のためにへたばってしまいそうになったが、そのときあなたの船が碇泊しているのを見つけ、助かつて命拾いする望みがもてたわけだ。船がこれほど北に来ているなどということに、思いもよらなかったので、それを見てびっくりした。私はさっそく橇を壊して橈をこしらえ、それを使って、よくよく疲れきってはいたが、とにかくその氷の筏をあなたの船のほうへ動かしてきた。あなたがたが南へおいでになるのだとしたら、自分の目的を棄てずに、自分を浪のまにまに委ねることに決めたにちがいない。というのは、敵を追跡でさるボートを貸していただけるように、お願いしたかったのだ。しかし、あなたがたの行く先は北だった。私は、力が尽きはてた時に、あかたがたのおかげて船に引き上
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