私がすっかり見失ったら絶望して死にはしないかと心配して、私の目じるしになるものを何か残していった。雪が頭に降りかかると、白い平原に、やつのでっかい足あとがついているのが見えた。はじめて実地の経験をお始めになる、苦労というものがまだもの珍らしくて未知の悩みでしかないあなたにとっては、私の感じた、また今でも感していることを、どうして理解できるでしょう。寒さ、窮乏、疲労などは、私が堪えぬく運命におかれた苦しみのうちの、いちばん楽なものであった。私は、ある悪魔に呪われ、永遠の地獄を持ち歩いたのだが、それでもなお守護天使があとについてきて、私の歩みを導いてくれ、どうにもならなくなって呟くと、とても越えられそうもないと思った困難から、たちまち救い出してくれるのであった。ときには、飢えのために参って体がへたばったような時に、荒野のなかに私の食べるものが置いてあって、そのおかげで恢復して元気づくこともあった。その食べものは、なるほど、その地方の百姓たちが食べるような粗末なものであったが、それは、私が助けたまえと祈った精霊たちが用意してくれたものであることを、私は疑わない。すべてが乾ききって、空に雲ひと
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