た。ときにはたしかに、若かった頃の友だちと花の咲いた牧場や楽しい谿谷をさまよっている夢を見たが、目がさめると牢屋のなかにいるのであった。憂欝は続いたが、だんだんと自分のみじめさや情況をはっきり考えるようになり、やがて牢獄から釈放された。人々は私を気ちがいと呼んだが、察するところ、幾月となく私は、独房に住んでいたのだ。
 けれども、私が理性に目ざめたとき、同時に復讐の念を取りもどさなかったとすれば、自由は私には無用のたまものであった。過去の不運が私を圧迫するにつれて、私は、その原因である自分のつくった怪物、自分の破滅のためにこの世に追い放ったあの悲惨な魔もののことを考えはじめた。そいつのことを考えると、私は、狂おしい怒りに捉えられ、そいつをつかまえてその呪われた頭に、これと思い知らせやれるようにと、願い、かつ一心に祈るのであった。
 私の憎悪は、何にもならない欲求だけにいつまでもとどまってはいず、やつをつかまえるいちばんよい手段を考えはじめた。そして、そのために、釈放されてからひと月ばかりして、町にいる刑事裁判官のところに出かけて、私は告発することにする、私は自分の家族を殺した者を知って
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