る部屋に入っていった。女の人たちがまわりで泣いており、私もその上に身を屈めて、いっしょに泣いた。――この時にはどうもはっきりした考えが頭に浮ばず、自分の不運とその原囚をごたまぜに反映するさまざまなことを、考えるともなく考えていた。雲とむらがる驚愕と恐怖のために、途方に暮れてしまったのだ。ウィリアムの死、ジュスチーヌの死刑、クレルヴァルの殺害、今また、妻の殺害。そして、この瞬間にも、ただ二人だけ残っている身うちも、あの殺人鬼の悪意の前には安全でないことがわかった。父が今にもあいつに絞められて身もだえし、エルネストがあいつの足もとて死んでいるかもしれなかった。私は、こう考えて身慄いし、さっそく行動にとりかかった。ここを出発して、できるだけ速くジュネーヴに帰る決心をしたのだ。
手に入れられる馬がなかったので、湖水を渡って帰らなければならなかったが、風が逆風で、雨は滝となって降った。とはいえ、夜も明けきっていなかったので、夜までにはむこうに着ける望みがあった。そこで、舟を漕ぐ男たちを傭って、自分も橈を取った。いつも、体を動かすことで心の悩みを忘れた経験があったからだ。しかし、こんどは、どうに
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