ためにだんだんおちつきを取りもどした。じっさい、その時が近づくにつれて、あの威嚇がますます錯覚のように見え、私の平和を乱すほどのことでないような気がしたし、また一方、挙式の日と定められた時がだんだん近づき、それを妨げる出来事が起ろうなとど夢にも思わないで語られているのを聞くと、結婚したら得られるだろうと望んでいた幸福が、ますます確実なものに見えるのであった。
 エリザベートは、幸福なようすだった。私の平静なふるまいが、心を安めるのにたいへんやくだったのだ。しかし、私の願望と宿命が果されることになったにその日は、エリザベートも憂欝で、禍の予感にひたされ、またおそらくは、私がそのつぎの日にうちあけるた約束した怖ろしい秘密のことを考えてもいた。そのあいだも、父は大喜びで、準備のどさくさにまぎれて、姪の憂鬱を花嫁のはにかみぐらいにしか考えなかった。
 式か済んだあとで、父のところにおおぜいの人々が集まったが、エリザベートと私は、水路で旅に出かけ、その夜はエヴィアンに泊り、翌日はまた旅をつづける、ということになった。天気がよく、風は追い風で、みんなが笑顔で私たちの蜜月の舟出を見送ってくれた。
 
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