ものを、自分たちの疫病神として呪うだろう、と考えて身慄い[#「身慄い」は底本では「身慓い」]した。この私は、利己的な立場から、おそらく人間全体の存在を犠牲にして、一身の平和を購うことを躊躇しなかった、ということになるのだ。
私は身慄いし、気が挫けた。と、そのとき、眼をあげると、月のあかりで、窓のところに例の悪魔の姿が見えた。腰かけて当てがい仕事をしている私を眺めながら、そいつの唇はものすごい笑いにひきつった。そうだ、私の旅について来たのだ。森のなかをうろついたり、洞穴に身をひそめたり、広い殺風景な荒蕪地に避難したりして、いま私の進捗ぶりに気をつけ、約束を果してくれと言いに来たのだ。
見れば、その顔には、極度の悪意と不信が現われていた。私は逆上して、こいつと同じようなものをもう一つ造るなんて約束したのかと考え、激情に身を慄わせながら、造りかけたものをこなごなに打ち砕いてしまった。怪物に、自分のこのさきの幸福はそれが居るかどうかできまると考えていたものを、私が壊してしまったのを見て、悪鬼のような絶望と復讐のわめき声をあげて引き下がった。
私は部屋を出て、扉に鍵をかけ、この仕事を二度と
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