、以前の私自身のおもかげを髣髴たらしめ、研究的で、経験や知識を得ることに熱心だった。自分の守った風習の違いが、この男にとっては教訓と楽しみの尽きることのない源泉であった。この男はまた、長いこともくろんでいた目的を追求していた。そのもくろみというのは、インドへ行くことであって、自分のもっているその国のさまざまな言語の知識、その社会についての見解が、ヨーロッパの植民と貿易の進歩を実質的に助ける手段であると信じていた。さらに進んでこの計画を実行に移すのは、イギリスに居てはじめてできることであった。クレルヴァルはしじゅう忙がしくしており、その楽しみのたった一つの邪魔は、私の悲しげながっかりした気色だった。私は、何かの心配やつらい思い出に煩わされないで、新しい人生の舞台に上ろうとしている者の、自然な歓びを妨げないために、できるだけそれを隠そうとした。自分ひとりで居るために、ほか
に約束があるからと言って、私はよく、クレルヴァルといっしょに出かけるのをことわった。私は今また、新しい創造のために必要な材料を集めはじめたが、このことは、頭にたえず落ちてくる水の一滴一滴の拷問のようなものだった。もっぱら
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