、それは、私にとっては第二次的な目的であった。私は、おもに、自分の約束をはたすために必要な知識を得る手段に心を用い、自分が持ってきた、もっともすぐれた自然哲学者あての紹介状を、さっそく利用した。
 この旅が、もしも、まだ研究に従っていた幸福な時代におこなわれていたら、私に言いようもない喜びを与えていたことだろう。しかし、私の存在には暗影が投げかけられていて、私はただ、自分かおそろしく深刻な関心をもっている問題についての知識を、教えてもらうために、この人たちを訪ねたにすぎなかった。仲間も私にはわずらわしかったので、ひとりきりになっていると、心を天地の眺めで満たすことができた。ただアンリの声は私を慰めてくれるので、自分を偽って、しばしの幸福を味わうことができた。しかし、しきりにつまらなそうにしてはしゃいでいる人々の顔を見ると、私の心には絶望が戻ってきた。私は、自分と自分の仲間である人間のあいだにある越えることのできない障壁を見たが、この障壁は、ウィリアムとジュスチーヌの血で封印がしてあり、この二人の名まえに結びついた出来事を考えると、私の魂は苦悶でいっぱいになった。
 しかしクレルヴァルは
前へ 次へ
全393ページ中269ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
シェリー メアリー・ウォルストンクラフト の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング