ールからロッテルダムまで、ボートでライン河をくだり、そこからロンドンへ渡航することに相談を決めた。この舟旅のあいだ、私たちは、柳の多い島々を過ぎ、いくつかの美しい都会を見た。マンハイムには一日滞在し、ストラスブールを立ってから五日目にマインツに着いた。マインツから下流のラインの河筋は、ますます絵のようになってくる。絶壁のふちに立ち、高くて近よれない黒い森に囲まれた古城を、私たちはたくさん見た。このあたりのライン河は、珍らしく変化に富んだ風景を見せている。ある地点では、峨々たる山々や、その下に色濃いラインの河の流れる巨大な断崖の上に聳え立った古城が見え、また、とある山はなを曲ると、緑のなだらかな岸に繁る葡萄園や曲りくねった河や背景を占めた賑かな町々が見える。
 葡萄のとりいれの時に旅行したわけで、私たちは、流れを滑るようにくだりながら、労働者の歌うのを耳にした。意気沮喪し、たえず暗欝な気もちに胸を掻きむしられる私でさえ、嬉しかった。舟の底に横になり、雲ひとつない青空を眺めていると、長いこと忘れてきた平静さに吸い込まれるようにおもわれた。こうして、私の気もちがこのようであったとすれば、誰が
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