我夢中の憂欝が長く続いたあとだったので、父は、私がそういった旅行を考えついて喜ぶようになったのを知って嬉しがり、場面の変化やいろいろな楽しいことで、帰って来るまでにはすっかり元の私にかえるのを望んだ。
 私の畄守にする期間は自分で選んでさしつかえないことになったので、数箇月あるいはせいぜい一年というのが予定期間になった。父は、私に伴れができるように、父親らしい配慮をしてくれ、私には前もって知らさずに、エリザベートと相談して、クレルヴァルがストラスブルグで私と会うような手筈をととのえた。これは、仕事をするために自分の求めた孤独の妨げにはなったが、旅をはじめるにあたっては、友だちが居てくれることはいっこうさしつかえなく、長いこと孤独な、気の狂いそうな考え事にふけることからこんなふうに助かって、私はほんとうに嬉しかった。否、例の私の敵の闖入したとか、アンリがその前に立ちふさがってくれるかもしれなかった。もしも私が、ひとりだとしたら、あいつはときどき、私の前にあのぞっとするような姿でおしかけて来て、仕事のことを憶い出させたり、その進捗ぶりを眺めたりするかもしれないではないか。
 だから私は、イ
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