、あんたをはじめほかの人間にも二度とお目にかからないようにして、南アメリカの広漠とした荒地にでも行きます。食べものが人間の食べものじゃありませんから、腹が空いたからといって仔羊や仔山羊を殺したりしないで、どんぐりや苺のようなもので十分に栄養が取れるのです。わたしの伴れあいもわたしと同質だとしたら、同じ食事で満足するはずです。わたしらは乾いた木の葉で寝床をつくるでしょうし、人間に照らすと同じように太陽が照らし、わたしらの食料をみのらすでしょう。お話しているこんな情景は、平和な人間らしいもので、あんだだって、みだりに残虐な暴力をふるってでもないかぎりは、否定することができないと感じるにちがいありません。あんたはわたしに対して無情でしたが、いまあなたの眼には同情の念があらわれています。この好意をもった時にわたしを理解して、わたしが熱烈に望んでいることをしてくれると約束してください。」
「人間の住む所から退散して、野獣だけが仲間になるような荒地に住もう、というのだね。人間の愛情や同情を熱望するおまえが、こんな追放を辛抱できるとおもうのかね。戻って来てまた人間の親切を求め、人間に忌み嫌われるのだ
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