はずれに出にが、その森のへりに流れの速い深い川があって、いろいろの木がその上に枝を垂れ、今やいきいきとした春の芽をつけていた。ここでわたしは、どの道を行ったらよいか、よくわからなかったので、立ちどまったが、そのとき人声がしたので、糸杉のかげに身を隠した。わたしが隠れるか隠れないうちに、若い娘が誰かのところから戯れて逃げたのか、わたしの隠れているところに笑いながら走って来た。それから続けて川の岸の崖になったほうに行ったが、そのときとつぜん足をすべらして急流のなかに落ちこんだ。わたしは隠れていたところから跳び出し、やっとこさで強い流れのなかからその娘を助け、岸へ引き上げた。娘は気を失っていたので、息を吹き返させるために、自分の力でできるだけのことをしてやったが、そのとき、とつぜん、この娘と戯れていたらしい一人の百姓男が近づいてきたので、それが遮られた。その男は、わたしを見ると跳んで来て、わたしの腕から娘を引き離し、森のもっと奥のほうへ駈けていった。なぜということもなく、わたしは急いでそのあとを追ったが、その男はわたしが近づくのを見て、手に持っていた鉄砲で、わたしの体に狙いを定めて発砲した。
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