もできなかったが、わたしは絶望しなかった。あんたに対しては憎悪以外の感情をもたなかったものの、救ってもらえるあてがあるのは、あんただけだった。無情な、心ない創造者! あんたはわたしに知覚と欲情を与えておきながら、人間の軽蔑と恐怖の的として突き放してしまった。しかし、あんたにだけは、憐憫と救済を求めたいので、人間の姿をしたほかの誰からも求めても得られなかったあの正義を、あんたに要求することに決めたのだ。
「わたしの旅は長く、受けた難儀もひどいものだった。永らく住みなれた地方を旅立ったのは、秋も晩くなってからであった。わたしは人の顔に出会うのを怖れて夜だけ旅行した。あたりの自然は凋落し、太陽も暖かくはなくなった。雨と雪が身のまわりに降りつけ、大きな河も凍り、土の表面も固く、冷たく、むきだしになって、身を隠すところとてなかった。おお、大地よ! わたしは幾度、自分が存在するにいたった原因を呪咀したことだろう! わたしの性質のやさしいところは消え失せ、わたしの内部のあらゆるものは苦汁と辛酸に変った。わたしは、あんたの家に近づけば近づくほど、復讐の念がますます深く胸のなかで燃え立つのを感じた。雪が
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