ものであったのに、わたしの感情は、日ごとに乱れてきた。知識が増した結果はただ、自分がみじめな宿なしであることを、いよいよはっきりと見せてくれただけのことであった。なるほど、わたしは、希望をもってはいたが、水に映った自分の姿とか、月光の投げた自分など、あの壊れやすい像や変りやすい像を見てさえも、それは消えてしまった。
「わたしは、こんな心配を握りつぶし、二、三箇月の後に受けようと決意した試験に対して、自分を強くしようと努力した。そして、ときには、理性では抑えきれない自分の思想が楽園の野に逍遥し、愛らしく美しい人たちが、自分の気もちに同感し、自分の憂いを吹きはらって、その天使のような顔が慰めの笑いを浮べている、というようなところを空想した。しかし、それはみな夢であって、悲しみを和らげてくれ、考えを共にしてくれるイヴは居なかった。わたしはひとりぼっちだった。創造者に対するアダムの歎願を、わたしはおぼえていた。けれども、わたしの創造者はどこにいるのだ? 創造者はわたしを見棄てておいたし、わたしも、心のつらさに堪えかねてこの創造者を呪った。
「秋はこんなふうにして[#「こんなふうにして」は底本で
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