ん驚いたことは、あとになってわかった、このばあい、天使[#「天使」に傍点]、すばらしい[#「すばらしい」に傍点]、といようなことばが出るのを、一、二度耳にしたが、当時はまだ、そういったことばの意味がわからなかった。
「わたしの考えは、今や、いよいよ活溌になり、この愛すべき人たちの動機や感情を見つけたくてたまらず、なぜにフェリクスがあんなふうにみじめに見え、アガータがあれほど哀しげに見えるのかを、なんとかして知りたかった。わたしの力で、この人たちに、当然の幸福を取りかえしてやれるかもしれない、と、わたしは考えた(ばかなやつだ!)。眠っているか、そこに居あわさない時でも、尊敬すべき盲の父親や、気だてのやさしいアガータや、りっぱなフェリクスの姿が、わたしの眼の前にちらつくのだった。わたしはこの人たちを、自分の未来の運命を定めてくれる人たちだと見なし、この人たちの前に出て、迎えてもらう姿を、あれこれといろいろに想像した。嫌われるかもしれないが、自分のおとなしい態度と穏かなことばで、おしまいにはまずこの人たちに好意をもたれ、それからさらに愛されるだろうと想像したのだ。
「そう考えると励みが出て、
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