ーズが、わたしの食慾をそそった。そのなかでいちばんよい家に入ったところ、戸の内側に足を踏み入れるか入れないうちに、子どもたちが泣きだし、一人の女が気絶した。村じゅう大騒ぎになって、逃げ出す者もあれば攻撃する者もあり、おしまいには、石やそのほかいろいろの飛び道具の類でむごたらしく傷つけられて、広々とした野原に逃げ出し、怖ろしくなって何もない低い物置小屋に避難したが、村ですてきな邸宅を見たあとでは、そこはまったく見すぼらしいものに見えた。けれども、この小屋は見るところ隣りあった気もちのいい百姓家に附属していたが、いま得たばかりのなまなましい経験から、そのなかには入る気にならなかった。わたし隠れ家は木造だったが、あまり低くて、中でまっすぐに坐っていられないくらいだった。しかも、地面に板が張ってなくてそのまま床になっていたが、乾いていたので、おびただしい隙間から風が入ってきはしたものの、雪や風を凌ぐ気もちのいい避難所であるのがわかった。
「そこでわたしは、中にひきこもって、みじめはみじめでも、この季節の酷烈さから、いやそれ以上に人間の野蛮さから身を隠すという嬉しさに、横になって寝た。
「家が明
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