、集団組織にまとめあげていったのである。
顧みれば、遠く我が館の組織も、このマックリーシュ氏の汗の代償の結論としての組織の上に成立しているというべきである。来日の四年前、この機能化の努力の真只中にあったクラップ氏が、図書館協会のブラウン氏と共に協力せられて、我が国立国会図書館は出来上ったのである。
この苦しみの中に夢みられ、更に発展したのが、未だ米国国会図書館の組織にもない「支部図書館」の機構にほかならない。より大いなる組織化へのスローガンの発展の結論として、我が支部図書館は生まれ出たものである。
マックリーシュ氏の歩みのあとを辿ってつきすすめば、その靴跡は、真直ぐにわれわれの上に、太平洋を越えて続いていると、私は深い感慨とともに思わずにいられない。
底本:「論理とその実践――組織論から図書館像へ――」てんびん社
1972(昭和47)年11月20日第1刷発行
1976(昭和51)年3月20日第2刷発行
初出:「びぶろす」
1950(昭和25)年2月
入力:鈴木厚司
校正:染川隆俊
2008年1月26日作成
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