だ一つの人に燃えうつるのである。しかし、これは無限の人に燃えうつる行動の連続となる。かかるものこそが歴史的行動なのである。人が命をその中に没し、人がその中の楽しみを、道の楽しみと称するに足りる。つきせぬ歴史のしたたる味わいである。
 図書館法案は、人々が気がつかない程の無限の数字を、新たな歴史を胎んで、今議会を通過したというべきであろう。これを継ぐものは、正しく地を継ぐものとして、重い重い責任を課せられたというべきである。



底本:「論理とその実践――組織論から図書館像へ――」てんびん社
   1972(昭和47)年11月20日第1刷発行
   1976(昭和51)年3月20日第2刷発行
初出:「社会教育」
   1950(昭和25)年5月
入力:鈴木厚司
校正:宮元淳一
2005年6月5日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
前へ 終わり
全2ページ中2ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
中井 正一 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング