国立国会図書館について
中井正一
歴史変革の任務
今年の冬の夜のことであった。
アメリカ国会図書館使節の招宴に金森館長と共に列席した。
参議院図書館運営委員長である羽仁氏はあいさつの席上で「自分は日本民主化のため、国立国会図書館の礎の下に身を横たえたい」とのべた。すると、使節の一人であるブラウン氏は「私は羽仁さんに申上げたい。貴方の席をちょっとあけて取って置いて頂きたい。私もその国立国会図書館のコーナー・ストーンの下に身を横たえたいと存じますから」とのべた。
皆笑ってしまったけれども、私には胸にしみじみとしみ透るものがあった。
戦いに打砕かれたこの廃墟の中にも、文化は成長の歩みを少しも止めてはいない。民族をへだてて、よき意志の結集によって、どんな焼跡にも若草がもえるように、その歩みを止めはしない。
アレクサンダーが幾十万の兵士を熱砂の中に埋めている間も、文化は人から人に伝わって、東から西へ、東から西へと、その成長の歩みを止めはしなかった。アレクサンドリア図書館がエジプトにできたのは、いかなる戦いもが消し去ることなき大いなる流れの跡をしめしているのである。
そしてそ
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