るのである。決して自然を芸術が模倣するのではなくして、芸術を自然が模倣するのであるというワイルドの語を、再びここに想起してこの稿を閉じよう。終りにこの小論の俯瞰図を掲げて、同人ならびに読者諸兄の峻烈なる爆弾投下に備えたい。
 リズムの構造[#「リズムの構造」は太字]
 原始形態(潮、波、風――呼吸、脈搏、歩行)……(反復[#「反復」に傍点])
 (1)数学的解釈
   ○時間――客観的法則性……(射影[#「射影」に傍点])
    質――量化
     ×過失性
     ×機械性
     ×蓋然性
 (2)存在論的解釈
   ○時間――現存在的把握性……(邂逅[#「邂逅」に傍点])
    量――質化
     ×瞬間性
     ×個人性
     ×偶然性
 (3)歴史的解釈
   ○時間――弁証法的構造……(記録[#「記録」に傍点]―企画[#「企画」に傍点])
    質――量――質
       /過去性
    企画性
       \瞬間性
       /機械性
    集団性
       \個人性
       /蓋然性
    必然性
       \偶然性

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