務者の利益であるからである。
 銀行の現金の兌換停止の年たる一七九七年以前の長い時期の間、金は銀に比較して極めて低廉であったために、英蘭《イングランド》銀行その他すべての債務者にとり、鋳造のためにそれを造幣局に運ぶ目的をもって、市場において銀ではなく金を買うのが、その利益に合したが、けだし彼らは金でその債務を弁済した方がより[#「より」に傍点]低廉に済んだからである。銀貨は、この時期の大部分の間、その価値が極めて削減されたが、しかしそれは稀少な程度に存在し、従って、私が前述した原理によって、その通用価値は決して下落しなかった。かくも削減されはしたけれども、金貨で支払うのが依然債務者の利益であった。もちろんもしこの削減された銀貨の量がベラ棒に大であり、またはもし造幣局がかかる削減された貨幣片を発行したのであるならば、この削減された貨幣で支払うのが債務者の利益であったかもしれないが、しかしその量は限られており、そしてその価値を保持しており、従って金が実際上通貨の真実の本位であったのである。
 それがそうであったことはどこでも否定されていない。しかしそれは、銀は造幣標準に依って量目で計算せざ
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