ぼし得ないと、真面目に主張したということは、ほとんど信ぜられないであろう。
 銀行の設立以後は国家は独占的貨幣鋳造権または発行権を有たない。通貨は、鋳貨によってと同様に有効に紙幣によって増加され得る。従って、国家がその貨幣を削減しその分量を制限するとしても、それはその価値を保持し得ないであろうが、けだし銀行は同じく全貨幣流通量を増加せしめる権能を有っているからである。
 かかる原則によって、紙幣はその価値を確保するために正金で支払われなければならぬという必要はなく、本位として宣布された金属の価値に従って紙幣量が調節されねばならぬことが必要であるに過ぎない、ということが分るであろう。もし本位が一定の量目及び品位の金であるならば、紙幣は、金の価値の下落するごとに、またはその結果においては同じことであるが、財貨の価格の騰貴するごとに、増加され得よう。
(一二六)スミス博士は曰く、『余りに多量の紙幣を発行し、その超過分は、金及び銀と兌換されるために絶えず囘帰しつつあったために、英蘭《イングランド》銀行は、引続き多年の間、一年八十万|磅《ポンド》から一百万|磅《ポンド》または平均約八十五万|磅《
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