て、二倍の分量が与えられるであろうからである。もし同様の改良が毛織布の製造においても行われるならば、靴下と毛織布とは以前と同一の比例で交換されるが、しかしこれら両者は価値において下落しているであろう。けだしこれを帽子や金やその他の一般貨物と交換するに当っては、以前の二倍量が与えられなければならぬからである。金その他のすべての貨物の生産にも改良を及ぼすならば、これらのものはすべてその以前の比例に復するであろう。二倍量の貨物が年々この国において生産されており、従って国の富は二倍となるであろうが、しかしこの富の価値は増加していないであろう。
アダム・スミスは、私が一再ならず指摘した富の正しい説明を与えたにもかかわらず、彼は後にこれを異って説明し、次の如く言っている、『人は、彼が購買し得る労働量に応じて、富みまたは貧しくなければならぬ。』さてこの説明は前のものと本質的に異り、そして確かに正しくない。けだし、鉱山がより[#「より」に傍点]生産的になり、ために金や銀がその生産の便宜の増大によって価値が下落すると仮定するならば、または天鵞絨《ビロード》が以前よりも遥かにより[#「より」に傍点]少い
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