思われない。
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(一四九)マルサス氏は、穀物は特殊の性質を有っており、ためにその生産は、すべての他の貨物の生産が奨励されると同一の手段によっては奨励され得ない、というスミス博士の議論の誤謬を、正当に評論した。彼は曰く、『多年の間を平均して、穀価が労働の価格に及ぼす力強い影響を、決して否定せんとするものではない。しかし、この影響が土地へのまたは土地からの資本の移動を妨げるが如きものではない――これこそが問題の点である、――ということは、労働が支払われかつ市場に齎される仕方を簡単に研究し、またアダム・スミスの命題を仮定すれば不可避的にそうならざるを得ぬ結論を考えれば、十分に明かならしめられるであろう。』(註)
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(註)『穀物条例に関する諸観察』四頁
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次いでマルサス氏は、進んで、需要と価格騰貴とは、ある他の貨物の需要と価格騰貴とがその生産を奨励すると同様に有効に、粗生原料品の生産を奨励するということを、説明している。私がこの見解に完全に同意するものなることは、奨励金の結果について私が前述せる所からして分るであろう。私はマルサス氏の『穀物条例に関する諸観察』と、『一意見の諸基礎』云々と題されている彼れの他のパムフレットで、いかに違った意味で真実価格なる言葉が用いられているかを示さんがために、前者からの章句を注意した。この章句においてマルサス氏は、『穀物の生産を奨励し得る所のものは、明かに真実価格の増加のみである』と吾々に告げているが、彼は明かに真実価格なる語によって、他のすべての物に相対するその価格の増加を、または換言すれば、その自然価格またはその生産費以上に出ずるその市場価格の騰貴を、意味しているのである。もしも真実価格なる語がかかることを意味するとするならば、私はそれをかくの如く名づけるのは適当であるとは思わないけれども、マルサス氏の意見は疑いもなく正しい。それのみが穀物の生産を奨励する所のものは、その市場価格の騰貴である。けだし、一貨物の生産の増加に対する唯一の大きな奨励は、その市場価値がその自然価値または必要価値を超過するということである、ということは、斉《ひと》しく真実な原理とされ得ようからである。
しかし、これは、マルサス氏が他の場合に、真実価格なる語に附している意味ではない。地代に関する試論においてマルサス氏は曰く、『増加しつつある穀物の真実価格なる語を、私は、国民的生産物に対してなされた最後の附加分を生産するに用いられた所の[#「用いられた所の」に傍点]労働及び資本の真実の分量[#「分量」に傍点]の意に用いる。』他の部分において、彼は曰く、『穀物の高い比較的真実価格の原因は、それを生産するに用い[#「用い」に傍点]られなければならない所の資本及び労働のより[#「より」に傍点]大なる分量[#「分量」に傍点]である。』(註)前章句において、吾々がこういう真実価格の定義と取換えると仮定すれば、それはこういう風にはならないであろうか?――すなわち『それのみが穀物の生産を奨励し得る所のものは、明かに、それを生産するに用いられなければならない労働及び資本の分量の増加である。』これは、穀物の生産を奨励する所のものは、明かに、その自然価格または必然価格の騰貴である。――これは維持し難い命題である。生産される分量に対し何らかの影響を及ぼすものは、穀物が生産され得る価格ではなく、それが売却され得る価格である。資本が土地に引寄せられまたは土地から追出されるのは、生産費以上にまたは以下に出ずるその価格の差額の程度に比例している。もしこの超過が農業資本に、資本の一般利潤以上のものを与える如きものであるならば、資本は土地に赴くであろう。もしそれ以下ならば、それは土地から引去られるであろう。
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(註)本書が印刷に付されようとしている時、マルサス氏にこの章句を示した所が、彼は、これらの二つの場合に、彼はうっかりして、生産費の代りに真実価格という語を用いたのである、と述べた。私が既に述べた所からして、これら二つの場合に彼は真実価格なる語をその真実かつ正当な意味に用いたのであり、そして前の場合にのみそれが誤って用いられている、と私には思われることが、分るであろう。
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かくて穀物の生産が奨励されるのは、その真実価格の変動によってではなくして、その市場価格における変動によってである。『より[#「より」に傍点]多くの資本と労働とが土地に引寄せられるのは、それを生産するにより[#「より」に傍点]多量の資本と労働とが用いられねばならないから(これはマルサス氏の正しい真実価格の定義である)』ではなくして、『市場価格がこのその
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