れており、しかもこの部分はそれ以外の目的には用いられていないから、家具や玉細工に用いるために残るものはより[#「より」に傍点]少い。さてこの稀少性がこれらの物の価値を増加するのである。――セイ、第二巻、三一六頁。なお七八頁の註を参照。
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同一の意見はロオダアデイル伯によっても述べられている。
『あらゆる価値物が蒙る所の価値の変動については、もし吾々がしばらくの間、ある物が、あらゆる事情の下において等しい価値を常に有つように、内在的、固定的の価値を有つと仮定し得るならば、かかる固定的標準によって確かめられた所のすべての物の価値の度は、その物の分量と[#「その物の分量と」に傍点]それに対する需要との間の比例に応じて変動するであろう、そしてあらゆる貨物は、もちろん、四つの異る事情によりその変動を蒙るであろう。
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一、『その分量の減少によってそれはその価値の増加を蒙るであろう。
二、『その分量の増加によってその価値の減少を蒙るであろう。
三、『需要の増加という事情によってそれはその価値の増大を蒙るであろう。
四、『需要の減少によってその価値は減少するであろう。
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『しかしながら、いかなる貨物も、他の貨物の価値の尺度たる資格を有つように、固定的、内在的の価値を有ち得るものでないことは、明かに分るであろうから、人類は、価値の実際的尺度として、価値変動のただ四つの原因たる[#「価値変動のただ四つの原因たる」に傍点]これらの四つの変動源泉のいずれにも最も蒙りそうもないものを、選択させられるのである。
『従って普通の言葉で吾々がある貨物の価値[#「価値」に傍点]を言い表わす時には、八つ異る事情の結果として、それはある時期には他の時期のそれと変化するであろう。
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一、『吾々が価値を言い表わそうと思う貨物に関して、上述の四つの事情によって。
二、『吾々が価値の尺度として採用した貨物に関して、同じ四つの事情によって。』(註)
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(註)『公共の富の性質及び起源に関する一研究』、一三頁。
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(一三八)これは独占貨物については真実であり、そして実際他のすべての貨物の市場価格についても限られた時期の間は真実である。もし帽子に対する需要が二倍となるならば、価格は直ちに騰貴するであろうが、しかし、帽子の生産費またはその自然価格が騰貴しない限り、その騰貴は単に一時的に過ぎないであろう。農業学におけるある大発見によりパンの自然価格が五〇%下落したとしても、需要は大いに増加しないであろうが、けだし何人も彼れの欲望を満足せしめるより以上を欲求しないであろうからである。そして需要が増加しないであろうから供給もまた増加しないであろう。けだし貨物は単にそれが生産され得るから供給されるのではなく、それに対する需要があるから生産されるのであるからである。かくてここに吾々は、供給と需要とがほとんど変化せず、またはそれが増加したとしても同じ比例で増加した場合を有つわけであるが、しかも貨幣の価値が引続き不変である時にもまた、パンの価格は五〇%下落することになるであろう。
個人かまたは会社かによって独占されている貨物は、ロオダアデイル卿が述べている法則に応じて変動する。すなわちそれは売手がその分量を増加するに比例して下落し、そして買手のこれを購買せんとする熱望に比例して騰貴する。その価格はその自然価値と何らの必然的関聯も有たない。しかし競争の対象となりかつその分量がいかなる程度にも増加され得る貨物の価格は、結局、需要と供給との状態ではなくて、その生産費の増減に、依存するであろう。
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第三十一章 機械について(編者註)
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(編者註)本章は第一版にも第二版にも現われていない。
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(一三九)本章において私は、機械が社会の異る階級の利益に及ぼす影響に関する研究に入るが、それは極めて重要な問題であり、そして何らかの確実なまたは満足な結果に導くが如くに研究されたことのないものであるように思われる問題である。この問題に関する私の意見を述べるのは私の義務となっていることより[#「より」に傍点]多いものであるが、けだしそれは、より[#「より」に傍点]以上考慮してみると、著しい変化を蒙っているからである。そして私は、機械に関して、私にとり撤囘しなければならぬ何事かを発表したとは思わぬが、しかも私は、現在誤謬であると考えている学説を、他の方法で支持したことがある。従って私の現在の見解を、それを抱懐《ほうかい》する私の理由と共に、検討に委ねるのが、私の義務となっているのである
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