少せしめた、価格は永久的により[#「より」に傍点]高くなったけれども、それは稀少によってではなく、生産の困難によって支持されたのである。従って、かかる貨物の売手はそれをより[#「より」に傍点]高い価格で売ったけれども、彼らは、資本の必要量がその生産に用いられた後は、それをより[#「より」に傍点]高い利潤で売ったのではないのである(註)。
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(註)セイ氏は、国内の製造業者の利益は一時的のもの以上であると想像している。『一定の外国財貨の輸入を絶対的に禁止する所の政府は、かかる貨物を国内において生産する者の利益になるように[#「者の利益になるように」に傍点]、これらを消費する者を犠牲として[#「者を犠牲として」に傍点]、独占を樹立するのである。換言すれば、それを生産する所の国内の者は、それを売却する排他的特権を有っているから、その価格を自然価格以上に引上げ得よう。そして国内の消費者は、それを他の場所で取得し得ないから、それをより[#「より」に傍点]高い価格で購買せざるを得ない。』第一巻、二〇一頁。
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 しかし、彼らの同胞市民のあらゆる者がこの事業に入るのが自由である時に、いかに彼らはその財貨の市場価格を永久的にその自然価格以上に支持し得るか? 彼らは外国の競争に対しては保証されているが、内国の競争に対しては保証されていない。かかる独占――もしそれがこの名で呼ばれ得るならば、――からその国に生ずる真実の害悪は、かかる財貨の市場価格を騰貴せしめることにはなく、その真実価格、自然価格を騰貴せしめることにある。生産費を増加することによって、国の労働の一部分はより[#「より」に傍点]不生産的に用いられるのである。
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 製造業者自身も消費者としてかかる貨幣に対して附加的価格を支払わねばならなかった。従って『両者(組合法及び外国貨物の輸入に対する高き関税)によって惹起される価格の昇騰《しょうとう》はどこでも結局、国の地主、農業者によって支払われる』というのは正しくあり得ない。
 外国穀物の輸入に対して同様の高い関税を課するために、今日紳士によってアダム・スミスの権威が引用されているから、この記述をなすのがいっそう必要となる。種々なる製造貨物の生産費従ってまた価格が、消費者に対し、商法上誤謬によって高められているから、我国は、正義を口実として、新たな誅求《ちゅうきゅう》に黙従《もくじゅう》することを求められ来ったのである。吾々はすべて吾々の亜麻布やモスリンや綿布に対して附加的価格を支払っているから、吾々は吾々の穀物に対しても附加的価格を支払うのが正当であると考えられている。世界の労働の一般的分配において、吾々は生産物の最大量が、その労働の吾々の分前により、製造貨物において、取得されることを妨げ来ったから、吾々は更に、粗生生産物の供給における一般的労働の生産力を減少せしめることによって、自らを所罰《しょばつ》すべきであろう、と。誤れる政策が吾々を誘って採用せしめた誤謬を認め、そして直ちに普遍的貿易の健全な原理への徐々たる復帰を開始するのが、遥かにより[#「より」に傍点]賢明であろう(註)。
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(註)『種々なる勤労生産物のすべて及びあらゆる社会の欲望に適する商品を豊富に有つ英国の如き国を、稀少の可能性から保証するには、貿易の自由が要求されるのみである。地球上の諸国民は、そのいずれが飢餓に服すべきかを決定するために骰子《さいころ》を投ずるようには命ぜられてはいない。世界には常に豊富な食物がある。不断の豊饒を享受するためには、吾々はただ、吾々の禁止や制限を撤廃し、そして神の慈悲深き智慧に逆うことを止めさえすればよい。』大英百科全書補遺、『穀物条例と貿易』の項。
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 セイ氏は曰く、『私は既に不適当にも貿易差額と呼ばれているものを論ずるに当って、もし貴金属を外国に輸出するのが何らかの他の財貨を輸出するよりも一商人の利益により[#「より」に傍点]よく合するならば、国家はその市民を通じてのみ利得しまたは損失するのであるから、彼がそれを輸出することはまた国家の利益でもあり、そして外国貿易に関する事柄においては個人の利益に最もよく合するものがまた国家の利益にも最もよく合するのであり、従って個人が貴金属を輸出したいと思うのにそれに障害を作ったとて、それはただ彼らを強いて彼ら自身及び国家にとってより[#「より」に傍点]不利な何らかの他の貨物を代用せしめることとなるに過ぎぬということを、述べる機会を得た。しかしながら、私は外国貿易に関する事柄において[#「外国貿易に関する事柄において」に傍点]言っ
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