如き農業者の費用を節約するすべての改良された農耕器具、及び良い道路、運河、及び橋梁というが如き彼をしてより[#「より」に傍点]容易に市場に達せしめる一切のものは、穀物の原費は減少せしめるが、その市場価格は減少せしめない。従ってかかる改良によって節約されるものはすべて、地主に彼れの地代の一部として帰属するのである。』(編者註)
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(編者註)『諸国民の富』ビウキャナン版、一八一四年、第四巻、『諸観察』、三七、三八頁。
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もし吾々がビウキャナン氏に、彼の議論が挙《よ》って樹《た》つ所の基礎、すなわち、穀物の価格は常に地代を生ずるということを譲歩するならば、彼が主張するすべての結果が当然それに随伴すべきことは明かである。しからば農業者に対する租税は、消費者の負担する所とはならずして、地代の負担する所となり、そして農耕上のすべての改良は地代を増加するであろう。しかし私は、一国がそのいかなる部分においても余す処なくしかも最高度に耕作される時までは、土地に用いられた資本の中に何らの地代をも生み出さない部分のあるということ、及び穀物の価格を左右するものはこの部分であり、その収穫は、製造業における如く、利潤及び労賃に分たれるということを、十分に明かならしめたと思う。かくて地代を与えない穀物の価格は、その生産によって影響されるのであるから、それらの費用は地代からは支払われない。従ってそれらの費用が増加する結果は、価格の騰貴であって、地代の下落ではない(註)。
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(註)『製造業者は需要に比例してその生産物を増加せしめ、そして価格は下落する。しかし土地の生産物はそのようには増加され得ない[#「しかし土地の生産物はそのようには増加され得ない」に傍点]。そして消費が供給を超過するのを妨げるためには、高い価格が必要である。』ビウキャナン、第四巻、四〇頁。ビウキャナン氏が、需要が増加しても土地の生産物は増加せしめられ得ないと真面目に主張することが出来るのは、果して可能であろうか?
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粗生生産物に対する租税や地租や十分一税は、すべて土地の地代の負担する所となり、そして粗生生産物の消費者の負担する所とはならない、ということで全然一致するアダム・スミスとビウキャナン氏との両者が、それにもかかわらず、麦芽に対する租税は、麦酒《ビール》の消費者の負担する所となり、そして地主の地代の負担する所とはならないであろう、ということを認めているのは、注目すべきことである。アダム・スミスの議論は、麦芽に対する租税及び粗生生産物に対するあらゆる他の租税の問題について、私の懐《いだ》いている見解の極めて優れた叙述であるから、私は読者の注意を惹くためにそれを提示せざるを得ない。
『大麦耕作地の地代及び利潤は、常に、他の等しく肥沃であり等しく良く耕作された土地のそれとほとんど等しくなければならない。もしもそれがより[#「より」に傍点]少いならば、大麦地のある部分は直ちにある他の目的に向けられ、またもしそれがより[#「より」に傍点]多いならば、直ちにより[#「より」に傍点]多くの土地が大麦の栽培に向けられるであろう。ある特定の土地の生産物の通常価格が独占価格と呼ばれ得る価格にある時には、それに対する租税は必然的に、それを栽培する土地の地代及び利潤(註)を減少せしめる。そこで作る葡萄酒が、それが有効需要に対して不足しているために、その価格が、常に他の等しく肥沃であり等しく良く耕作された土地の生産物に対する、自然的比例以上である所の、その貴重な葡萄園の生産物に対する租税は、必然的にそれらの葡萄園の地代及び利潤(註)を減少せしめるであろう。葡萄酒の価格は、既に通常市場に送り出される分量に対して手に入れ得る最高の価格であるから、それはその分量を減少せしめることなくしては引上げられ得ず、そしてその分量は更により[#「より」に傍点]大なる損失を伴わずしては減少され得ない。けだしそれらの土地は、ある他の等しく高価な生産物に向けられ得ないからである。従ってこの租税のすべては地代及び利潤(註)の、正当には葡萄園の地代[#「地代」に傍点]の、負担する所となるであろう。』『しかし大麦の通常価格は決して独占価格であったことはない。そして大麦地の地代及び利潤が他の等しく肥沃であり等しく良く耕作された土地のそれに対する自然的比例以上であったことは決してない。麦芽、麦酒《ビール》、及び強麦酒《エイル》に課せられた種々なる租税が大麦の価格を低めたことは決してなく[#「大麦の価格を低めたことは決してなく」に傍点]、大麦地の地代及び利潤(註)を低減せしめたことは決してない。醸造業者に対する麦芽
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