は決して生産的ならしめられ得るものではない、――それは事実上資本ではない。もし彼がその公債を売り、それに対して得た資本を生産的に使用するとすれば、彼はその公債の買手の資本を生産的用途より引離すことによってのみ、このことをなし得るのである。(編者註――この誤りは第五版で訂正された。第三巻、六〇頁。これは第三版にはなかったものである。第二巻、四四四頁。)
[#ここで字下げ終わり]
(八八)一貨物が独占価格にある時には、それは消費者が喜んでそれを購買せんとする最高の価格にあるのである。貨物は、いかなる工夫によってもその分量が増加され得ない時にのみ、従って競争が全然一方の側に――すなわち買手の間に――ある時にのみ、独占価格にある。ある時期における独占価格は他の時期における独占的価格よりも遥かにより[#「より」に傍点]低いこともまたは高いこともあろう、けだし購買者の間における競争は、彼らの富及び彼らの嗜好や気紛れに依存しなければならぬからである。極めて限られた分量において生産される特殊の葡萄酒、及びその優越または稀少によって仮想的価値を得た美術品は、社会が富んでいるか貧しいか、それがかかる生産物を豊富にまたは稀少に所有しているか、またはそれが粗末な状態にあるか洗錬《せんれん》された状態にあるか、に従って、通常労働の生産物の極めて異る分量に対して交換されるであろう。従って独占価格にある貨物の交換価値は、どこにおいても生産費によって左右されないのである。
 粗生生産物は独占価格にはないが、けだし大麦及び小麦の市場価格は、毛織布及び亜麻布の市場価格と同様な程度にその生産費によって左右されるからである。唯一の差違はこうである、すなわち、農業に用いられる資本の一部分、換言すれば全然地代を支払わない部分が穀物の価格を左右するが、しかるに製造貨物の生産においては、資本のあらゆる部分の使用は同一の結果を齎し、そしていかなる部分も地代を支払わないから、あらゆる部分が等しく価格の規制者であるということである、すなわち穀物その他の粗生生産物もまた、より[#「より」に傍点]多くの資本の使用によって、量において増加せられ得、従ってそれは独占的価格にはないのである。買手の間におけると同様に売手の間にも競争がある。吾々の今まで論じていた稀少な葡萄酒や高価な美術品の生産においてはかかることは事実でない。その分量は増加され得ず、そしてその価格は購買者の力と意志の程度によってのみ制限される。かかる葡萄園の地代は、いかなる適当に指示し得る限界以上にも引上げられ得ようが、けだし他のいかなる土地もかかる葡萄酒を生産し得ないために、いかなる土地もかかる土地と競争せしめられ得ないからである。
(八九)もちろん一国の穀物及び粗生生産物はしばらくの間は独占的価格で売られるかもしれない。しかし、より[#「より」に傍点]以上いかなる資本も有利に土地に使用され得ない時、従ってその生産物が増加され得ない時にのみ、それは永続的にそうあり得るに過ぎない。かかる時には、あらゆる耕地部分、及び土地に使用されているあらゆる資本部分は、地代を生むであろうが、それは実に収穫の差違に比例して異っているのである。かかる時にはまた、農業者に課せられるべきいかなる租税も地代の負担する所となり、消費者の負担する所とはならないであろう。彼はその穀物の価値を引上げ得ないが、けだし、仮定によれば、それは既に、買手がそれを買うであろう所のまたは買い得る所の最高価格にあるからである。彼は、他の資本家の得る利潤率以下の利潤では満足しないであろう、従って彼がなし得る唯一の選択は、地代を引上げさせるか、または彼れの職業を中止するかであろう。
 ビウキャナン氏は、穀物及び粗生生産物は地代を産出するから、独占価格にあるものと、考えている。すなわち地代を産出するすべての貨物は独占状態にあるはずである、と彼は想像している。そしてこのことから彼は、粗生生産物に対するすべての租税は地主の負担する所となり、消費者の負担するところとはならない、と推論している。彼は曰く、『常に地代を与える穀物の価格は、いかなる点においてもその生産費によって影響されないから、それらの費用は地代から支払われなければならない。従ってそれが騰貴または下落する時には、その結果はより[#「より」に傍点]高いまたはより[#「より」に傍点]低い価格ではなくして、より[#「より」に傍点]高いまたはより[#「より」に傍点]低い地代である。かく観察すれば、農場の僕婢や馬匹やまたは農業機具に対するすべての租税は、実際には地租である。その負担は農業者の借地期間中は農業者の負担する所となり、そして借地契約が更新される時期になった時には地主の負担する所となる。同様にして、打穀機及び刈取機というが
前へ 次へ
全173ページ中102ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
リカードウ デイヴィッド の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング