フ製造に用いられる資本は増加するであろう。
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(註)セイ氏は曰く、『貨物の価格に附加される租税はその価格を騰貴せしめる。貨物の価格が騰貴するごとに、必然的に、それを騰貴し得る者の数、または少くとも彼らの消費する量は減少される。』これは決して必然的ではない。私は、もしパンが課税されても、パンの消費は、毛織布、葡萄酒または石鹸が課税された場合以上には、減少するであろうとは信じない。
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 セイ氏は、チュルゴオ氏が、パリにおいて、魚類に対する市場税(〔les droits d'entre'e et de halle sur la mare'e〕)を二分の一減ずることによって、その実収高を減少せしめなかったし、従って魚類の消費は倍加したに相違ない、と云っている。彼は、このことから推して、漁撈者及びこの職業に従事する者の利潤もまた倍加したに相違なく、かつ国の所得は、利潤の増加の全額だけ増加したに相違なく、また蓄積に刺戟を与えることによって、それは国家の富源を増加せしめたに相違ない、と云っている(註)。
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(註)同じ著者の次の語は同様に誤謬であると私には思われる。『木綿に高い税が課せられるならば、木綿を基礎とするすべての財貨の生産は減少する。もしある特定の国において、木綿の種々なる製造業においてそれに加えられる総価値が一年一〇、〇〇〇万フランに上り、そして租税の結果が消費を二分の一に減少せしめるにあるとするならば、この税は、政府が受取る額に加うるに、年々五、〇〇〇万フランを、その国から奪うであろう。』(編者註、経済学、第二巻、三一四頁)
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 この租税の改正を命じた政策はこれを問題外とし、私はそれが蓄積に大なる刺戟を与えたか否かについて、疑いを有っている。もし漁撈者及び漁撈に従事する他の者の利潤が、魚類の消費が増加した結果倍加するならば、資本及び労働は、この特定の職業に用いられるために他の職業から引き去られたに相違ない。しかしかかる職業において資本及び労働は利潤を生み出していたのであるから、この利潤はそれが引き去られた時に抛棄されたに相違ない。この国の蓄積能力は、単に資本が新たに用いられた職業において取得される利潤と、資本が引き去られた職業において取得される利潤との差額だけ、増加したに過ぎないのである。
 収入から徴収されようとまたは資本から徴収されようと、租税は国家の課税し得る貨物を減少せしめる。もし私が一〇〇|磅《ポンド》の租税を支払うことによって、私自身でそれを費さずに、政府をしてこの額を費し得せしめたために、一〇〇|磅《ポンド》を葡萄酒に費すことを止めるなら、一〇〇|磅《ポンド》に値する財貨は必然的に課税し得る貨物の表の中から除かれる。もし一国の個人の収入が一、〇〇〇万であるならば、彼らは少くとも一、〇〇〇万に値する課税し得る貨物を有するであろう。もしその中のあるものに課税することによって、一百万が政府の処分の下に移されても、彼らの収入は名目上は依然一、〇〇〇万であろうが、しかし彼らは単に九百万に値する課税し得る貨物を有つに過ぎないであろう。いかなる事情の下においても、課税は、租税を窮極的に負担する者の享楽を奪わぬという場合はなく、また新たなる収入の蓄積以外に、それらの享楽を再び拡張し得る手段はないのである。
 課税が平等に適用され、その結果すべての貨物の価値に同一の比例において作用し、しかもそれらの物を同一の相対価値に保持せしめるということは、あり得ない。それは、しばしば、その間接的結果のために、立法者の意図とははなはだ異る作用をする。吾々は既に、穀物及び粗生生産物に対する直接税の結果は、もし貨幣もまたその国内で生産されるのであるならば、粗生生産物がその構成に参加するに比例してすべての貨物の価格を騰貴せしめ、かつそれによってこれらの物の間に以前に存在した自然的関係を破壊するにあることを、知った。もう一つの結果は、それが労賃を騰貴せしめ利潤率を下落せしめることである。吾々はまた本書の他の部分において、労賃の騰貴と潤利の下落は、より[#「より」に傍点]大なる程度において固定資本を用いて生産される貨物の貨幣価格を下落せしめるという結果を有つことを知ったのである。
(八五)一貨物が課税される時はそれはもはやそれほど有利に輸出され得ないということは、十分に理解されているから、しばしば戻税《もどしぜい》がその輸出に対して与えられ、また関税がその輸入に対して課せられる。もしかかる戻税及び関税が啻にかかる貨物そのものに対してのみならず、更にそれが間接に影響を与え得るすべてのものに対して、正確に課せられるならば、貴金属の価値
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