T、地代をもって富の創造なりと考う
(一四五)マルサス氏の地代の三原則
(一四六)第二の誤謬、地代は土地の肥沃度によるとす
(一四七)第三の誤謬、労賃の下落は地代の一原因なりとす
(一四八)第四の誤謬、肥沃度の増加は地代の増加に導き、その反対も真なり、とす
(一四九)穀物と関聯しての「真実価格」なる語のマルサスによる矛盾せる使用
(一五〇)穀価の下落は必ずしもすべての他の貨物の価格の下落を齎すものではないこと
(一五一)公債所有者の地位を取扱うにあたって、マルサスは前述の如くこの原理を無視している
[#ここで字下げ終わり]
[#ここから4字下げ]
(訳者註)項への分類、及びその名称は、ゴナア教授のほどこせるものである。
[#ここで字下げ終わり]
[#地付き]〔目次―完〕
[#改ページ]
第一章 価値について
[#ここから6字下げ、折り返して10字下げ]
第一節 一貨物の価値、すなわちそれと交換されるある他の貨物の分量は、その生産に必要な労働の相対的分量に依存し、その労働に対して支払われる報酬の多少に依存しない。
[#ここで字下げ終わり]
(一)アダム・スミスは次の如く述べている、『価値という言葉は、二つの異った意味を有《も》っており、ある時にはある特定物の効用を言い表わし、またある時にはその物の所有が齎《もた》らす所の他の財貨を購買する力を言い表わす。前者は使用上の価値[#「使用上の価値」に傍点]、後者は交換上の価値[#「交換上の価値」に傍点]と呼ばれ得るであろう。』彼は続けて言う、『最大の使用上の価値を有つ物が、しばしば、ほとんどまたは全く交換上の価値を有たず、また反対に、最大の交換上の価値を有つものが、ほとんどまたは全く使用上の価値を有たない。』(訳者註)水や空気は極めて有用であり、それらは実に生存に不可欠のものであるが、しかも普通の事情の下では、これらと交換して何物も得ることは出来ない。反対に金は、空気や水と比較すればいくらも有用ではないが、多量の他の財貨と交換されるであろう。
[#ここから2字下げ]
(訳者註)アダム・スミス著『諸国民の富』キャナン版、第一巻、三〇頁。
[#ここで字下げ終わり]
(二)しからば効用は、交換価値にとって絶対的に不可欠ではあるが、その尺度ではない。もし一貨物がどうしても役に立たないならば、――換言すれば、もしそれ
前へ
次へ
全346ページ中15ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
リカードウ デイヴィッド の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング