クる所によれば、経済学にとって最も重要なことである。
[#ここで字下げ終わり]
(三〇)吾々は今まで、その土地が種々なる生産力を有っている国において、富及び人口の自然的増進が地代に及ぼす結果を、考察し来った。そして吾々は、より[#「より」に傍点]少い生産上の報酬をもって土地上に用いられることが必要となる所の、附加的資本部分が投ぜられるごとに、地代は騰貴するであろうということを見た。同一の原理よりして、土地に同一額の資本を用いることを不必要ならしめるべき、従って最後に用いられる部分をより[#「より」に傍点]生産的ならしめるべき、社会における何らかの事情は、地代を低めるであろう、ということになる。労働の支持に向けられた基金を大いに減少すべき一国の資本の大減少は、当然この結果を有つであろう。人口は、それを雇うべき基金によって自らを調整し、従って常に資本の増減と共に増減する。従って資本のあらゆる減少は必然的に、穀物に対する有効需要の減少、価格の下落、及び耕作の減少を伴う。資本の蓄積が地代を引上げるのとは反対の順序において、その減少は地代を低めるであろう。より[#「より」に傍点]生産的ならざる質の土地は順次に抛棄され、生産物の交換価値は下落し、そしてより[#「より」に傍点]優良な質の土地が最後に耕作される土地となり、かつ地代を支払わない土地となるであろう。
(三一)しかしながら、一国の富及び人口が増加される時にも、もしその増加が、より[#「より」に傍点]痩せた土地を耕作するの必要を減少するか、またはより[#「より」に傍点]肥沃な部分の耕作に同一量の資本を投下する必要を減少するという、前と同一の結果を齎す如き、かかる顕著な農業上の進歩を伴うならば、同一の結果が生み出されるであろう。
もし一定の人口を支持するに一百万クヲタアの穀物が必要であり、そしてそれは第一等地、第二等地、第三等地において得られるとし、またもし後に一改良が発見され、それによってそれが、第三等地を用いずに第一等地及び第二等地で得られ得るに至ったとすれば、その直接の結果が地代の下落でなければならぬことは明かである。けだしこの際には、第三等地ではなく第二等地が、何らの地代をも支払わずに耕作されるであろうし、そして第一等地の地代は、第三等地と第一等地との生産物の差違ではなくして、単に第二等地と第一等地との差違に過ぎな
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