ケられるものであるといふ.量子論の發達は恰度これを體現して居る.
* 論文 (51), (53), (57), (58), (66), (67) 參照.
§9. 原子核の理論.
原子核の理論に於ける Bohr の業績も影響の及ぶ所が大きい.それは中性子の捕獲の問題から這入つて行つて所謂 Bohr の液滴模型を提唱した.それは核の構成粒子間の相互作用が大きい爲に,これを核外電子のやうに一體問題にして解くことが出來ぬことを高調し,中性子捕獲の共鳴作用,其際生ずるγ線,又多くの粒子の放出作用等について,古典的模型を用ひて考察を進めた.
此考察の結果は實驗の進むにつれて次第に實證せられて行きつつある.そして立入つた定量的の研究は Kalckar と共著で一昨年最初の論文を發表し,次いで行はれた研究が發表せられる豫定であつたが,Kalckar の急逝で其後どうなつたかと思はれる.
最近はγ線による原子核の光電效果的崩壞について考察を廻らせ,何故にγ線による變換が元素により選擇的に共鳴作用を現はすかを論じて居る.
これ等の研究は今後更に興味ある發展を示すであらう.それと共にかやうな模型を
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