d源が建設せられ,且つ丁抹の人である Poulsen の電弧發振器に用ひられて居た,65瓲の電磁石を改造してサイクロトロンが作られつつある.之等を容れるために研究所の建物が増設せられたのは云ふ迄もない事である.これで原子核の問題,生物學の研究が著しく推進せられることと豫期せられる.これ迄此方面の研究は,同地のラヂウム研究所のラヂウム,及び Bohr 教授の50歳の誕生日を祝つて友人たちの贈つた 500mg のラヂウムによつて居たのである.以上で明かなやうに,名は理論物理學研究所であるが,實驗方面に於ても常に世界の第一線に立つやうな設備が整へられて居る.これが結局理論を進める重要な手段なのである.
*[#「*」は上付き小文字] 留學者の氏名:青山新一,有山兼孝,金子五郎,木村健二郎,杉浦義勝,高嶺俊夫,仁科芳雄,福田光治,堀健夫.
§5. 對應原理と原子構造.
Bohr は水素原子の理論を提唱した最初から,量子論に沒頭しながらも古典論から目を離さなかつた.否寧ろ古典論の結果を出來るだけ量子論に利用して其發展を企てたのである.そして此兩者の間には不離不即ともいふべき一種の對應の存在する
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