株式會社科學研究所の使命
仁科芳雄
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財團法人理化學研究所は大正6年創立せられ,基礎科學の研究とその成果の應用とに盡して來たのであるが,近年の經營方針として,その研究によつて得られた發明特許を實施する多くの會社を設立し,これにより研究所の財政を維持しようと企圖したのである.これは持株會社の性格をもつものであつたから,連合軍總司令部の方針に從い,解體せられてここに滿31年の歴史を閉じることになつた.然し研究所既往の業績は内外の均しく認めるところであり,司令部においても日本の産業復興のため,その研究活動は1日も停止すべからざるものとし,かかる場合に産業界において執られると同じ方法により,これを第二會社として存續せしめることに多大の指導と援助とが與えられて來た.
然るに財團法人を株式會社に變形するについては特別の法律を必要とするので,特に單獨法として國會を通
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