り、而して一方に於ては、大胆にして術数ある古河氏を相手として、不撓不屈の戦闘を継続したり※[#白ゴマ、1−3−29]種々の誘惑種々の恐嚇種々の圧力は、絶えず彼れ及び彼の代表せる地方民を掩襲したるに拘らず、彼は一切之れを排除して、曾て窘窮したる迹を示さず※[#白ゴマ、1−3−29]是れ其戦略巧妙にして進退掛引善く機宜に適するものあるが為なり。前きに松隈内閣の成るや、世間皆以為らく、鉱毒問題或は大に其気※[#「陥のつくり+炎」、第3水準1−87−64]を収めむと※[#白ゴマ、1−3−29]何となれば当時進歩党は内閣の党与たりしに於て、彼れにして若し鉱毒問題を提出せば、進歩党と松隈内閣とは、共に頗る困却す可ければなり※[#白ゴマ、1−3−29]然るに彼は反つて一層猛烈なる運動を開始して、終に政府をして所謂る鉱毒事件処分案なるものを施行せしめたり、是れ実に政府の一大譲与なりき、其智亦侮る可からざるものあるを見る。今や彼れの先輩に依て組織せられたる現内閣は、復た鉱毒問題の襲撃を受けて、大に窘色あり※[#白ゴマ、1−3−29]彼は現内閣と地方民との間に立ちて、再び此問題を解釈せざる可らざる位地に在
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