党と分離し、自由党は此れが為めに一大傷痍を受けたると共に、彼れも亦一時自由党を去るの已むを得ざるに至りたりき。
 此に於て乎彼は啻に一般政界の信用を失ひたるのみならず、自由党も亦漸く彼れを敬して遠け、其全権公使に任ぜられて米国に派遣せらるゝや、識者之れを評して自由党の内乱予防策なりといへり※[#白ゴマ、1−3−29]何となれば自由党の内乱は、実に彼れが放胆不諱なる挙動に激成せらるる虞ありたればなり。
 彼れが争闘の力に富めるは恰も英国のオーコンネルに似たり※[#白ゴマ、1−3−29]其口を開けば輙ち罵る所、其弁論に一種の活気ありて人を煽動するに適する所、宛然として是れ日本のオーコンネルなり※[#白ゴマ、1−3−29]但だオーコンネルの政敵と争闘するや、確然たる信条と、爛※[#「火+曼」、第4水準2−80−1]たる熱誠とを以てするに反して、彼れは純然たる無宗教的冷頭を有するを異なりとするのみ※[#白ゴマ、1−3−29]是れ彼れが自由党に於ける信用の、オーコンネルが愛蘭党に於ける当年の信用に及ばざる所以なり。
 剛愎不遜は、彼れが有する特質の第二なり※[#白ゴマ、1−3−29]彼れの剛愎は
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