るに於てをや※[#白ゴマ、1−3−29]若し侯の中心の冀望を言はゞ、此際永く、政界を退隠せむと欲するに切なるやも知る可からず※[#白ゴマ、1−3−29]されど侯を叢囲せる門下生は、决して侯の退隠を許さゞるの事情あり※[#白ゴマ、1−3−29]侯は此等の門下生の為めに、勢ひ再度の出馬を為さゞる能はざるは無論なるを以て、侯の清国より帰朝するの日は、乃ち政界復た一変動を見るの時なりと知らざる可からず※[#白ゴマ、1−3−29]侯の運動の妙所は、虚無縹緲の間に於て、巧みに最後の勝利を制するに在り※[#白ゴマ、1−3−29]侯が明治十四年来藩閥控制の術数を用いたるも、世間啻に其然るを知らざるのみならず、藩閥自身も亦然るを知らずして独り其術中に陥りて怪まず※[#白ゴマ、1−3−29]侯が自由党と提携したるに及でも、明かに政党内閣を主張せずして而も次第に今日の時局を導くの動機を啓きたり※[#白ゴマ、1−3−29]侯は曾て其持説を確言したることなきも、其実際に施設したる例少なからず※[#白ゴマ、1−3−29]侯も亦一代の政治家なるかな。(三十一年九月)
伊藤侯は党首の器なるや
伊藤侯が
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