ずと謂ふ可し。大岡氏は政治家としては固より伊藤侯を推す可きも、山県侯とは亦切て切れられざる関係あるに於て、其両侯の睚眦反目を融解せむと勉むるは何ぞ怪むに足らむや。
山県侯が第二次内閣を組織するや、協会員中議論二派に分かる。甲は絶対的に内閣を助けむと主張して、乙は超然内閣にては反対するの外なしと主張し、大岡氏の如きは寧ろ後者の主張者たりしと雖も、是れ唯だ一時の権略にして、実は山県内閣をして自由派と提携せしめむとするの意たりしならむのみ。蓋し山県内閣をして自由派と提携せしむるは、是れ山県伊藤両侯をして調和せしむる所以なればなり。而して大岡氏は終に其目的を達せり。山県侯は一切の感情を棄てゝ自由派と提携し、伊藤侯も亦其挙を賛して、背後より山県内閣に応援す可きの約を為したり。此に於て国民協会は純然たる山県内閣の与党と為ると共に、衆議院に一名の政友を有せずと目せられたる山県侯は、此に新たなる忠実の政友を有するに至れり。
其三 山県系統の両派
国民協会は既に山県侯の忠実なる政友と為れりと雖も其中固より両派あり。保守主義を有するものと、進歩主義を有する者と是れなり。首領品川子は稍々保
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