トイに於ける如きのみ。(四十年十一月)
伯爵 板垣退助
板垣退助
世に伝ふ、板垣伯は両面ある人物なり※[#白ゴマ、1−3−29]外は粗放磊落なるに似て内は反つて細心多疑※[#白ゴマ、1−3−29]外は直情径行なるに似て内は反つて険怪隠密※[#白ゴマ、1−3−29]外は剛愎偏固なるに似て内は反つて温柔滑脱※[#白ゴマ、1−3−29]常に赤誠を口にして善く慷慨すれども、身を処するに巧詐あり世を行くに曲折あり、圭角ある如くにして圭角なく、平板なる如くにして表裏あり※[#白ゴマ、1−3−29]是れ其の伊藤侯と合ひ易き所以なりと※[#白ゴマ、1−3−29]然れども余の彼れに見る所は別に是れあり。
余の別に見る所とは何の謂ぞ※[#白ゴマ、1−3−29]彼れは民選議院の設立を建白せり、故に彼れを目して自由民権の創見者と為す可き乎※[#白ゴマ、1−3−29]彼れは曾て木戸大久保諸氏と大阪に会合して議する所あり、次で明治八年遂に立憲の聖詔煥発せられたりき※[#白ゴマ、1−3−29]故に彼れを称して立憲政体創造の首功と為す可き乎※[#白ゴマ、1−3−29]彼れ或は愛国社を興し、或
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