は亦相似たり※[#白ゴマ、1−3−29]然れども同中固より異質なくむばあらじ。
 大隈伯の思想は経験より結撰し来る※[#白ゴマ、1−3−29]故に其の開展するや帰納法の形式を具ふ※[#白ゴマ、1−3−29]伊藤侯の思想は読書より結撰し来る※[#白ゴマ、1−3−29]故に其の開展するや演繹法の形式を具ふ※[#白ゴマ、1−3−29]大隈伯固より読書を嗜む※[#白ゴマ、1−3−29]然れども抽象的理論よりも寧ろ具象的事実を貴ぶ※[#白ゴマ、1−3−29]伊藤侯固より経験を非認せざる可し※[#白ゴマ、1−3−29]然れども侯の得意とする所は寧ろ学理に在りて事実に存せじ、是れ其の均しく博覧多識なるに拘らず、一は最も経済に精しく、一は最も立法に長ずる所以なり。
 伊藤侯は公卿華族の如く、大隈伯は大名華族の如し※[#白ゴマ、1−3−29]故に荘重の中に優美を寓するは伊藤侯にして、荘重にして且つ豪華なるは大隈伯なり※[#白ゴマ、1−3−29]伊藤侯は威儀を修めて未だ雋俗ならず※[#白ゴマ、1−3−29]大隈伯は偉観を求めて終に閑雅の風に乏し※[#白ゴマ、1−3−29]大隈伯に逢ふものは、其の敬す可くし
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